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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Anna Grace Lee

2015年、米「ニューヨーク・タイムズ」紙に掲載された「恋が芽生える36の質問」を実践した作家のコラムが話題を呼んだ。決まった質問をするだけで、「初対面の相手とも両思いになれる」というこの心理学的実験をバーでおこない、その結果は大成功を収めたが、その後彼らはどうなったのだろうか? 同紙が10年後の2人を追った。

「恋が芽生える36の質問」について知っている読者は、マンディ・レン・カトロン(44)とマーク・ジャヌーズ・ボンディラ(49)が初めてデートしたときの話をすでにご存知かもしれない。

カトロンは2015年、「ニューヨーク・タイムズ」紙のコラム「モダン・ラブ」に「誰かと恋に落ちたければこれをやってみて」と題したエッセイを寄稿し、当時知り合ったボンディラと「ロマンティックな恋愛を育むために考案された」この科学的実験を自分たちでおこなった話を綴った。

この「36の質問」とは、心理学者アーサー・アーロンらが1997年に発表した研究のことだ。同研究が世に紹介されると、無数のカップルがこぞってそれを試し、それ自体が社会現象となった。

恋愛やカップルの関係について研究し、執筆活動をおこなうカトロンは当時もいまも、恋愛の公式や、単純なラブストーリーのたぐいにはいたって慎重だ。その手の恋愛物語には必ず語られない部分がある(とても新聞のコラム欄に収まりきれるような話ではない)。


「36の質問」を試すまで


カトロンとボンディラは2011年2月に初めて出会った。カトロンは、ブリティッシュコロンビア大学で地域住民を対象としたライティング講座の講師で、UXデザイナーでビジネスアナリストのボンディラは、そのコースの受講生だった。

「彼女のクラスを受講して、マンディに強く惹かれた」とボンディラは振り返る。

講座を修了する頃には数人の新しい友人ができ、そして担当講師に淡い恋愛感情を抱くようになっていた。その後数年間、2人は通っていたクライミングジムでばったり出会うことがあり、ソーシャルメディアや受講生仲間を通じて連絡を取り合う間柄になった。

2014年7月、ボンディラに美術展に行こうと誘われたカトロンは、友達として同行するつもりだった。カトロンは知らなかったが、ボンディラは独り身になったばかりで、彼いわく「無鉄砲な夏」を過ごしていた。そして目標のひとつが、カトロンとデートすることだった。

2人はまずバンクーバー美術館へ行き、そのあとでパブへ向かった。その店で「36の質問」を試したのだ。カトロンはずっとこの質問を試してみたかったのだが、ふさわしい相手を見つけられずにいた。カトロンはこう振り返る。

「なんでもやってやろう精神に溢れているのが、マークのいちばんの魅力。36の質問の話をすると、『いいね、やってみよう』と即答してくれたんです。すごく胸が高鳴った」
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