トランプの命令によって2000人の州兵がロサンゼルスへ派遣された Photo: EYEPRESS via Reuters Connect

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アトランティック(米国)

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Text by David Frum

過剰な移民摘発への抗議がロサンゼルスで拡大し、トランプ大統領は州知事からの要請もないのに軍隊を送り込んだ。この前代未聞の対応は「2026年に迫った中間選挙の結果を意のままにするための予行練習だ」と米誌は指摘する。

「青い州」への支配力を強める


ロサンゼルスで移民摘発に対する抗議運動が激化したことを受け、ドナルド・トランプ大統領は6月7日、これを鎮圧するためとして州兵の派遣を命じた。さらにピート・ヘグセス国防長官は、海兵隊も動員してトランプに従う用意があると宣言した。

これらの脅しは芝居がかっていて無意味に見える。カリフォルニア州には、逮捕権を持つ法執行機関職員が7万5000人以上もいる。ロサンゼルス市警だけでも9000人近い制服警官がいるのだ。彼らは一部暴徒化しているデモ隊に余裕で対処できるだろう。

もしカリフォルニア州がデモ隊に圧倒されていると感じたら、連邦政府に支援を要請すればいいだけの話だ。たとえば、今年初めに大規模な山火事に襲われ、カリフォルニア州知事が連邦政府に必要な援助を求めたときのように(トランプは政治的動機から、その援助を出し渋ったが)。

ところが今回、トランプは州も市も求めていない支援を押しつけようとしている。しかも、それは秩序を回復するためではなく、民主党が優勢な「青い州」に対する個人的な支配力を主張するためだ。

つまり、トランプとヘグセスによる脅迫は法の執行としてはほとんど無意味である一方、政治戦略としては大きな目的に基づいている。



米政治ウォッチャーが恐れてきた「3段階」


では、トランプ政権がいま見据えるゴールとは何か?

トランプの再選以来、彼の動きをよく観察してきた者たちは、2026年の中間選挙を前に、ある一連の出来事が起こることを恐れてきた。それは次のように3つの段階で展開される。

残り: 2078文字 / 全文 : 2992文字

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