ラブブはファッショントレンドにまで成長 Photo by Edward Berthelot/Getty Images

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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Vivian Wang

近年、中国のソフトパワーが急速に高まっている。政府はとくに西側諸国におけるイメージアップを狙っているようだが、すでにその「効果」はみられているようだ。米「ニューヨーク・タイムズ」紙が分析する。

世界の人々の心を掴むべく、中国が展開するキャンペーンの最新の武器は、牙とうさぎの耳が生えている、いささか不気味なぬいぐるみだ。

そのぬいぐるみの名前は、「ラブブ(Labubu)」。最近では、リアーナやデイヴィッド・ベッカムといったセレブがこのぬいぐるみを持ち歩いていたおかげで、いまや世界的なブームとなっている。ラブブを巡り、英国では買い物客同士が喧嘩をはじめ、ロサンゼルスではぬいぐるみを求めて一晩中列をなす人々が現れた。

ラブブは、熱心なファンたちがわざわざ中国に旅行に訪れるほど人気となり、約30ドル(約4300円)のぬいぐるみが数百ドルで転売されることもある。

このラブブ熱は一過性の流行で終わるかもしれない。だが、これは中国がその権威主義的な政治に対する長年の懸念を乗り越えて、海外における文化的な影響力を築きつつある兆候かもしれないのだ。

中国の国営メディアは、このぬいぐるみを「中国のポップカルチャーが世界に浸透しつつある証拠」として取り上げている。中国「人民日報」紙は「中国メーカーのポップマートが作った、毛むくじゃらの9本の歯を持つエルフは、中国のポップカルチャーが海外に進出するための基準となった」と報じている。

中国のイメージアップ


近年、世界的な人気を集める中国製品が増えている。たとえば、ゲーム『黒神話:悟空』や、「BYD」の手頃で高品質な電気自動車がそうだ。また、中国の生成AI「DeepSeek」は、米国やヨーロッパの企業でも採用されている。さらに、海外のトラベルブロガーたちは、上海の街並みや成都のパンダを賞賛する動画をこぞって投稿している。

世論調査では、中国に対する意見に変化がみられた。
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